第6回 序盤の字牌の切り出しについて|エースの斬り口 目指せ頂点へ

(このコラムは2015年11月号に連載されたものです)

一昔前は、序盤から役牌を切って他家に鳴かせるのは罪といった考え方が主流でした。僕がプロを目指して勉強していた15年前くらいも、そんな考え方の打ち手が周りの多数を占めていました。
当時、最高位戦Aリーグによく観戦に行っていましたが、やはり役牌を簡単に打ち出さない選手が多かったですね。

では今はどうでしょうか?
今は、中堅から若手にかけて序盤から字牌を打ち出す選手が多数を占めています。
考え方としては、自分にさほど必要のない役牌は相手が重なる前に先に切るという考え方です。字牌の持ち方や切り方にも個性があって、トップクラスの選手でも少しずつ違いがあります。

僕が2008年から参加し、最高位戦Aリーグの坂本大志選手が主催する私設リーグ『ばかんすリーグ』の牌譜からいくつか紹介してみます。

村上淳プロへの考察

(東4局1巡目 北家)
大した手ではありませんが第1打に、2巡目ツモで打としています。はほぼ必要はありませんが積極的に役牌を切っていますね。

村上プロは、持っている字牌が手牌に必要ない時は徹底して役牌から切り出します。逆に、自分が染め手や七対子に向かう時はリャンメンを払ってでも字牌を残します。アガリ形にその字牌が必要なのか否かで、はっきりと字牌の扱いを変える攻撃に特化した打ち方です。

石橋伸洋プロへの考察

(東2局1巡目 北家)
第1打に、ツモ切りを挟んで3巡目ツモで打としています。 石橋プロは村上プロと同じく序盤から割と役牌を切り出していくタイプにも関わらず、この局はの後に役牌を切らずにを切り、割と目立たない捨て牌の切り順になっています。

この手がもう少しバラバラだった時は、他家を警戒させるために役牌から 打ったりもするのでしょうが、この時は自分がそれなりの手なので自分への警戒を少しでも下げるために、あえて役牌を切らずにおとなしい捨て牌を作っています。
ただ、石橋プロは相手に自分の打ち筋を読ませないように字牌をランダムに切ったりもするので、もしかしたらこの時も気まぐれだったのかもしれません(笑)

水巻渉プロへの考察

(東2局1巡目 北家)
第1打にに南として孤立の端の数牌を切らないものの、2巡目ツモでは役牌を切らずに打、3巡目ツモでは打としています。

基本的には字牌を切っていくスタンスではあるが、重なる前に切ろうと考える村上プロや石橋プロより攻守を兼ねた絶妙なバランスで字牌を扱っている感じがしますね。

紹介したトップ選手の3人の序盤の字牌の切り順ですが、それぞれ特徴があって勉強になります。僕はこの3 選手より字牌を大切に 持つタイプではありますが、常にどのバランスが最適なのかを模索中です。

たった1牌の切り順の違いで大きく結果が変わることがあるのが麻雀。
皆さんも、このトップ選手達のようにたった1巡の字牌の扱いに熱くなれたら、さらに違う景色が見えるのではないかと思います。
RMUリーグの選手たちも字牌の扱いにはとても秀でているので、ぜひその辺りも注目して放送を観ていただけたら嬉しいです!

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